第4章 第3章 模擬戦闘体験
「やっと終わった……」
昴は肩を落とし、その場に膝をつい
た。
「あれ以上続いたら死んでた……」
「ごめんね比奈くん。怪我……大丈
夫?」
心配そうに屈んで顔を覗いてくる紫
乃に昴は微笑しながら頭を撫でた。
「大丈夫だぞ」
「よかった」
昴は膝を抑えながら立ち上がる。
「おつかれ。資料であらかた知ってる
けど、運動神経は平均よりあるみたい
だね。
あくまで一般人の中ではだけど」
「朝比奈さん、飲み物どうぞ」
桃花が差し出したアクエリアスを昴
は礼を言って受け取る。
来るときは何も持っていなかったの
で、模擬戦闘中に買ってきたのだろう
か。
乾いた喉に流し込むと、疲れがとれ
たような気がした。
「あぁ、生き返ったぁ……」
「あれ? 朝比奈さん死んでたんです
か?」
「勝手に殺すなよ」
「死んでればよかったのに」
「零だめだよ。そんなこと言っちゃ」
「……俺は気にしてないから大丈夫だ
ぞ」