第4章 第3章 模擬戦闘体験
昴はツッコミをしてから頭が痛いと
いう風に額を抑えた。
「もういいや……。それで? 模擬戦
闘って何するんですか?」
「肉弾戦かな。さすがに紫乃くんがや
ってたみたいな銃撃の嵐は死ぬのだろ
うしね」
死ぬだろうしねというより確実に死
ぬだろう。
あれを全て避けられるなんて一般人
には不可能だ。
「それで、肉弾戦の相手なんだけど白
い子と紫乃くん、どっちがいい? ふ
たり一緒でもいいけど」
「……どっちのほうが命の保証ありま
すか?」
「紫乃くん」
リーシアの即答に昴はやっぱりかと
納得する。
昨日知り合ったばかりだが、零には
容赦というものがないように見える。
「んじゃ、紫乃で」
名指しされた紫乃は嬉しそうにしな
がら昴に飛びつく。
「わぁい! よろしくね、比奈くん。
なるべく怪我させないから」
「あんがと」
やっぱり紫乃を選んで正解だなと昴
は自分で自分の選択を褒める。
優しいし、かわいいし。これで女子
だったらよかったのに。神様って残酷
だ。
そんなことを思っていると、紫乃が
昴から離れて言った。