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イチイ

第4章 第3章 模擬戦闘体験


 リーシアはわざとらしく大きなため
息を吐き、嘆かわしげに肩を竦めた。
 
 昴はよく回る口だなと逆に尊敬の意
を抱き、口を結んだ。
 
 たぶん、ここで何か反論しても勝て
ないだろう。
 
 ここは大人の対応を見せるのがいち
ばんだ。
 
「それは悪かったな。今度からは言葉
の裏側も読み取れるように努力するわ」
 
「そうだね。じゃないといつまで経っ
ても童貞だもんね。
 
 あ、でもそうやって努力しても脱童
貞できるかはわからないよね。
 
 うーん、そうだ! スバルくんが卒
業までに脱童貞できるか賭けてみよう
か?」
 
「おい?」
 
「あ、おもしろそうですね。ん~、朝
比奈さんは童貞卒業できなそう」
 
「おい!」
 
「おぉ、じゃあボクはできるに賭けよ
う。望みは薄そうだけどね」
 
「おいぃ! おまえら! 人が大人の対
応してりゃ調子乗りやがって!」
 
 我慢できなくなり、昴はリーシアと
桃花に怒鳴り叫んだ。
 
 昴の怒鳴り声に 桃花は肩を竦
めるが、リーシアはあっけらかんとし
ている。
 
「まぁまぁ、落ち着いて。あんまり怒
るとその歳で禿げて皺だらけになっち
ゃうよ?」
 
「怒られせたのは誰だ」
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