第4章 第3章 模擬戦闘体験
床をドンドンと蹴りながら昴は更に
文句を続ける。
「そもそも、俺は模擬戦闘すること自
体、理事長から聞いてねぇ!」
「ちゃんと言ったよ?」
「うおっ!?」
背中に何かがぶつかる衝撃を受け、
昴は驚きながら上半身だけを捻って振
り向く。
案の定、リーシアが昴の背に抱きつ
いて、にこにこと笑っていた。
「聞いた覚えありませんが?」
「嘘!?きみが聞いてなかっただけ
じゃない?」
リーシアは昴から離れると頬を膨ら
ませる。
「戦闘部隊はできる限り自分の身は自
分で守るのが掟なんだよっていったで
しょ?」
「……まさかそれが放課後模擬戦闘や
るよって意味だったんですか!?」
「うん。え、わかりにくかった?」
「わかるか! 回りくどい言い方しな
いでストレートにいってください!」
「やだなぁ、それじゃ面白くないだろ
う?
そもそも、あんな言い方したのもき
みの理解力を試すためなんだよ?
君どう見ても童貞だからさ、素直に
なれない女子の言葉の裏側まで察せら
れる男子になれる手伝いをしたのさ。
あぁ、しかしきみは言葉の表面しか
受け取ることのできない、良くいえば
純粋、悪くいえば愚鈍な生物だね」