第4章 第3章 模擬戦闘体験
「ああ。なんか書類も書いた。でも、
訓練するなんて言われてないぞ?」
桃花はそんなはずはないんだけどな
と昴を疑う目で見てくる。
昴が聞いていなかっただけではない
かと思っているのだ。
昴はそれを察したのか、机の横から
鞄を取って、立ち上がる。
「とりあえず、行けば俺が聞いてなか
っただけか、理事長が伝えてなかった
かわかるだろ」
「あ、そうですね! じゃあ、行きま
しょうか。ちなみに理事長も見に来る
そうですよ」
ふたりは教室を出ると、昴は真っ直
ぐに、桃花は右に足を向けた。
半分ほど足を進めたところで、昴は
慌てて来た道を戻る。
「0番室はこっちだろ?」
桃花の背中に昴は叫ぶ。
声に桃花はハッと顔を上げて横をき
ょろきょろと見た。
昴がいないことに今気づいたのか、
ばっと振り向いた。
「朝比奈さん、何で隣にいないんです
か!」
「いや、だから、0番室はこっちだろ
って?」
桃花は今歩いていた道を指差す昴に
呆れた顔を見せた。
「今から行くのは訓練場ですよ。模擬
戦闘をするんですから。
あそこじゃどう考えても戦闘は無理
でしょう?」