第4章 第3章 模擬戦闘体験
「戦闘部隊入隊許可申請書。
君は表では非戦闘員の非戦闘部隊に
なるから、書かなくてもいいと思った
んだけど……」
リーシアはそこで言葉を止めると、
肩を竦めた。
「頭の硬い政府が署名を貰うようにっ
てしつこいもんだから……」
「政府と知り合いなんですか?」
「まぁ、色々あって。
こんな特殊な教育機関ここだけだし
交流くらいは普通にあるよ」
リーシアは若干言葉を濁して、話を
変えた。
「ところでさ、君は体育だけは得意だ
ったよね?」
「はい」
「戦闘部隊には防御担当の桃花いるけ
ど、ずっと護ってはくれない。
だから、できる限り自分の身は自分
で護る。それが戦闘部隊の掟」
「へぇ……」
リーシアは背もたれに寄りかかると
肘置きに、腕をたてた。
「まぁ、桃花くんは誰よりも君を優先
して護るだろうから、心配ないだろう
けどね」
「どうしてですか? 一昨日会ったば
かりなのに」
「どうしてだろうね? でも、いつか
わかるはずさ」
「理事長にもわからないってことです
か」