第4章 第3章 模擬戦闘体験
「ところで、何か用事あったんじゃな
いですか?」
「あぁ、理事長がお呼びだ。……何し
た?」
「理事長!? あ、もしかして……。
あ、いや、何もした覚えはありません
けど、とりあえず行ってきます」
昴は立ち上がると、後ろの扉から教
室を出る。
その時ちょうど鐘が鳴り、廊下にい
る生徒たちが教室に戻っていく。
昴は早足で歩きながら3階の理事長
室を目指した。
「授業サボれてラッキー」
元から遅刻やサボリで授業にあまり
参加はしていないが、合法的だと心も
軽くなる。
理事長室前に着くとノックをして、
返事を待つ。
すぐに内側から扉が開いて、ひとり
の女が顔を出した。
空色のセミロングの髪を左横で三つ
編みにしている。
背は高く、黒色のスーツの上からで
もわかるほど豊満な胸だ。自然と目線
はそこにいく。
女は緑色の目を細めてにこりと笑う。
「どうぞ中へお入りください」
昴は軽く頭を下げながら室内に足を
踏み入れる。
正面に黒い両袖机があった。重なっ
た書類が何個か置かれている。
黒いアームチェアにリーシアが座っ
ていた。