第4章 第3章 模擬戦闘体験
「山本は当然、できるに2000円だ
ろ? 期限決めるか」
昴はページを捲ると、ボールペンで
全員の名前と賭け先と賭け金を書く。
「1ヶ月はさすがに短いが1年は長い
な。5ヶ月でいいか?」
「そのくらいでいいんじゃね。
山田と山中は見てろよ。見事恋人ま
たつくってみせるからな」
「おう、つくってくれ。そんで山田と
山中は俺に2000円払えよ」
そう言った瞬間、ぽんと肩を叩かれ
た。軽い悲鳴を上げて振り返る。
さぁっと血の気が抜けていくのを感
じた。
「あ……」
「おはよう、朝比奈くん。随分楽しそ
うなことをしているようだな」
後ろに立っていたのは性格指導の犬
飼先生だった。
「そ、そうでしょ~? 将来役立ちし
そうな遊びですよ」
引き攣った笑みで昴は冷静を装う。
「それは関心。だが、今後は控えたほ
うがいいと思うぞ。
まぁ、生徒指導室に来たいなら、歓
迎するから続けてもいいが?」
「ご、ごめんなさい」
「わかればいい。賭け事はもうやめる
んだぞ」
「へい」
昴は素直に頷くと、頭を下げる。