第4章 第3章 模擬戦闘体験
昴は鞄から1冊のノートを取り出す。
『賭博ノート』と太い字で書かれて
いる。
昴はペラペラとページを捲ると、4
月10日と書かれたページを見せた。
「これが、それぞれの賭け先だ」
広げたノートには、山田、もつに1
000円、山本、もつに1000円。
山中、もたないに1000円と書かれ
ている。
「うわ、こっちに賭けた自分を殴りた
い……」
山田はどんよりとしながら、憎らし
げに呟き、財布から2000円を取り
出した。
「ほらよ」
「まいどー」
「やった儲けた」
山中と昴は金を受け取る。山本がし
くしくと、泣いて渋ったが問答無用で
払わせた。
「この金で漫画でも買うか。
あれ、そういえば、何が理由で別れ
たんだ? デート中他の女に見惚れた
とかか?」
「いや……他の女には見惚れてないん
だけど……」
山本は言いずらそうに言葉を濁す。
「じゃあ、男に見惚れた?」
「ちげぇよ」
山本は即答で否定する。
「じゃあ、何が原因だったんだよ?」