第3章 第2章 媒体
桃花はバッとリーシアの手を払い除
けると、首を振った。
「わかんないけど、何か……何か、も
やっとしました……」
そう言って桃花は俯いて胸元を握り
しめる。
「ふぅん、そう。……まぁ、まだいい
か」
リーシアは笑顔のまま、つまらなそ
うな口調で小さく呟く。
くるりと回って手を叩いた。
「よし、今日は本来の目的は果たした
し、もう夜だし、解散!」
一同は返事をすると、ぞろぞろと部
屋を出ていく。
雑談をしながら、校門前に着くと、
昴は桃花に声をかけた。
「女子ひとりだと危ないだろ? 送っ
てくよ」
「ありがとう!」
桃花は嬉しそうに大きく頷くと、昴
の右横を歩く。
「紫乃と夕は道あっちなんだな」
「朝比奈さんも、帰り道こっちなんで
すか?」
「いや、本当はあのまま真っ直ぐ」
それを聞くと、桃花は眉を八の字に
した。
「気使わせちゃったんですね……」
「いや、俺から言い出したことだし」
昴は手と首を一緒に振って、否定す
る。