第3章 第2章 媒体
「なぁ、仮契約ってキスだろ? 紫乃
は仮契約しないってことか?」
「いや、紫乃くんも契約するよ? 戦
闘要員だし」
「え、でも男……」
昴は紫乃を指差して、最もなことを
言う。
「気にする? 男とキスはいや? 大丈
夫だよ」
いや何が大丈夫なんだよと心の中で
ツッコミをリーシアに入れてから、今
度は紫乃に訊く。
「紫乃だって嫌だろ?」
紫乃はかわいらしく、こてんと首を
傾げる。
「えっと、同性同士の場合、仮契約は
なくて、口付けだで契約できた気がし
たんだけど」
「マジか」
「マジだよ。だから、僕は後回しかな
ぁ。比奈くんが認めてくれたら契約し
ようよ」
紫乃は小指を差し出すと昴の小指に
絡みつけてくる。
子どものように指切りげんまんを歌
って、ふにゃりと笑った。
「…………」
その様子を眺めいていた桃花
が面白くなさそうな顔をしていた。
気づいたリーシアが桃花の肩に腕を
回す。
「どうしたんだい? なんだか面白くな
そうな顔しちゃって。もしかして嫉妬
でもした?」