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イチイ

第3章 第2章 媒体


「なんでいきなり暴力したの?」
 
 少しおかしい日本語で紫乃は困った
ように問いかける。
 
 零は無言で目に苛立ちを見せながら
昴を差した。
 
「比奈くんは悪くないでしょ。何もし
てないじゃん」
 
 比奈くんとは綽名か。自分には似つ
かわしくない可愛い綽名だ。
 
 零は首を振って、昴を睨み続ける。
 
「悪くないってば。何もしてないし、
言ってない。八つ当たりでしょ?
 
 あぁ、もう僕まで睨まないでよ、事
実でしょ」
 
 紫乃が正論をいうたびに零は昴を睨
み続けた。
 
 目を合わせたら死ぬ気がして昴は明
後日の方向を向いている。
 
「とりあえず、謝りなよ」
 
「いやだ」
 
 零は即答すると、部屋を出ていこう
とする。それをリーシアが止めた。
 
「帰るなら仮契約結んでから帰ってく
れないかな?」
 
「……おまえがしてる」
 
「ボクもしてるけど、きみがしなきゃ
意味無いんだよ。ボクは戦闘部隊じゃ
ないし」
 
「代われ」
 
「仕事忙しいから、無理。ぱぱっと済
ませればいいじゃないか」
 
 零は唇を噛むと、踵を返した。
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