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イチイ

第3章 第2章 媒体


 長い台詞を一気に話し、リーシアは
一旦言葉を止める。
 
「で、契約の仕方は、仮契約は簡単だ
よ。口付けをすればいい」
 
 全員が固まった。今度は零もだ。口
に運ぼうとしていたポッキーが止まっ
ている。
 
 つかつかと昴の元まで近づいて、脇
腹を蹴る。
 
 続いて、呻いて、蹲った昴の背中を
ゲシゲシと踏み蹴り続けた。
 
「いで! いで! ちょっ、や、やめ、
げぼっ」
 
 何度も踏みつけられ、胃の中身が出
そうになる。
 
 吐きそうになったスレスレで紫乃が
零を止めた。
 
「八つ当たりはだめだよ」
 
 零はピタリと足を止めると、1回だ
け、昴の背中を踏んでから、足を退け
る。
 
「くそが……」
 
「だ、大丈夫ですか!?」
 
 桃花が駆け寄ってきて、優しく背中
をさすってくれた。
 
 撫でられているだけなのに、触れる
たび背中がズキンとしたので、痣にな
ってるかもしれないと危惧した。
 
「えっと、夕だっけ。治癒してくれな
いか……」
 
「そのくらいで甘えるな」
 
「マジかぁ……。痛い……」
 
 気持ち悪さを我慢しながら立つ。
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