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イチイ

第3章 第2章 媒体


 方法がわからないんじゃ、契約がで
きず、満足に力を与えられない。
 
 どうでもよさそうにお菓子を食べて
いる零を除いて、よにんは首を傾げて
揃って唸る。
 
「あ、もしかしたらさ、適当に汝のな
んちゃら~とかやればいいんじゃない
か?」
 
 ぱっと夕が顔を上げて発言する。
 
 あぁ、そうだ、その可能性が高いと
同意しようと口を開く前に声がした。
 
「呼ばれてないけど、来ちゃった。
ボクが教えてあげよう」
 
 いつの間にかリーシアが扉の前にい
た。
 
 開ける音も閉める音もしなかったの
にだ。
 
「いつから!?」
 
「説明のときから。白い子は気づいて
たよ」
 
「え、じゃあ、言えよ!」
 
 軽く怒鳴りながら零を見ると、即座
に睨まれたので、目を逸らす。
 
「…………それで、契約の仕方は……」
 
「うん、でも、まずは仮契約があるこ
とをいっておくね。
 
 これは正式な契約とは違って、擬似
契約みたいなものなんだ。
 
 この場合、奪える命の量は正式な契
約を結んでるときより少しだけ少ない
けど、約束が生じなくなる。
 
 これはお互いがお互いを相応しいか
確認する期間。だから、最初は仮契約
で後から正式な契約を結ぶのが通常」
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