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イチイ

第3章 第2章 媒体


 短命と聞いた途端、顔が青ざめるの
を感じた。
 
 わかっていたことだが、少しだけこ
わい。でも、今更引き下がれない。
 
「質問はありますか?」
 
「ない。いや、ひとつだけある。
 
 媒体は今のところ発見されてるのは
俺だけか?」
 
「えっと、はい。今ところ朝比奈さん
だけです。
 
 まぁ、隠してるだけで、他にもいる
可能性はありますが……」
 
「そうか」
 
(もし、いたら……話してみたいな)
 
「そういえば、契約ってどうやってや
るんだ?」
 
 肝心なことを訊いていなかったこと
に気づき、問いかける。
 
 すぐに答えが返ってくるかと思いき
や、桃花はきょとんとして、ゆっくり
と夕を見た。
 
「どうやるの?」
 
「何でおれに訊くんだよ、知らない」
 
 今度は夕が首を振って零を見た。
 
「知ってるか?」
 
 零は無言で紫乃を指差す。
 
 紫乃は夕が尋ねるより早く速答した。
 
「僕も知らないよ」
 
 まさかの全員知らないという事実。
 
 これは、困ったと思った。
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