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イチイ

第2章 第1章 戦闘員出動


「違います! 零が先々週も暴力事件
起こして理事長から叱られたはがりと
か、そんなことはない! です!!」
 
「……聞かなかったことにするから、
早く決めてくれ」
 
「その前にその怪我治すよ」
 
 夕はそう言って鼻をおさえたままの
昴に手をかざした。
 
 すると、ぽわっとあたたかい感触が
鼻の頭辺りに感じて、痛みがなくなっ
た。

 痛みと一緒に鼻血も止まる。
 
「治癒能力?」
 
「そっ、おれ回復担当だから。何でも
治るぜ。
 
 あっ、つっても、もうほとんど死に
かけてるのは無理だけどな」
 
「へぇ~……」
 
「それで、本題な。本当におれらの決
めたほうでいいのか?」
 
 夕は真顔になると昴をじっと見る。
 
 昴は無言で頷いた。
 
「じゃあ、部隊に入れ。非戦闘要員、
媒体として」
 
「わかった」
 
「詳しいことは放課後話すから」
 
「え、俺放課後補習……」
 
「サボれ」
 
「これサボったら単位ヤバくなるから
無理……」
 
「じゃあ、終わったらここに来い」
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