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イチイ

第2章 第1章 戦闘員出動


 夕も頭を下げながら、謝る。
 
 紫乃が呑気に言った。
 
「まぁ、倒れなかったから手加減はさ
れてるし、まだマシだよ。
 
 さっきは、自分のことなのに他人に
丸投げでイラッとしたから殴ったんだ
と思う」
 
「…………」
 
 昴は顔を引き攣らせながら、壁に寄
りかかってお菓子を食べている零を見
る。睨まれたので、目を逸らした。
 
「えっと、そんなことで俺は殴られた
のか……?」
 
「うちの子が本当にごめんなさい、ご
めんなさい」
 
 桃花が、泣きそうな顔で頭を下げる。
ちらりとリーシアを見た。
 
 夕もリーシアを見ながら言う。
 
「マジであの、訴えたりしないでくだ
さい」
 
 昴に対しての謝罪と言葉だが、視線
はリーシアに向いている。
 
「何でふたりはボクを見るのかな?
 
 ボクは何も見てないよ」
 
 リーシアは笑いながら人差し指を唇
に当てる。
 
 ふたりはほっとしたように肩を落と
した。
 
「よかった……。零、先々週も暴力事
件起こしてるから……」
 
「え?」
 
 桃花は失言に慌てて口を抑える。
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