第2章 第1章 戦闘員出動
「1回で全部奪うんじゃないよ。少し
ずつ、命をもらうんだ。
そしてね、命は本人の意思で与える
んだけど、さっきボクがしたように、
無理やり奪うことも可能なんだ。
まぁ、その場合は奪おうって気持ち
と肉体的な接触が必要だよ。
あと、無理やりの場合は、奪える命
は少ない」
昴は視線を足元に落とす。
下を向いたまま、言った。
「……俺はどうすればいいんだ?」
「こちらとしては、君を媒体として、
戦闘部隊に入れたい。非戦闘要員とし
てね。
でも、無理強いはしないよ。君が決
めていい。何せ、言葉通り『命がかか
ってる』んだから。
どうする?」
リーシアの菫色の目が昴の目をのぞ
き込む。
昴は目を逸らし、リーシアの目を避
ける。
「俺、は……。どっちでもいい」
「はあ?」
「どっちでもいい。おまえらが決めて
くれ。それに従うから」
「自分の命が関わってるのに、何でそ
んな投げやりなんですか」
桃花が昴を批判するように睨んだ。
「自分の命だからだよ」
昴は桃花を見ずに言う。