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イチイ

第2章 第1章 戦闘員出動


「あ、はい……」
 
 男子生徒は緊張気味に返事をすると、
軽く会釈する。
 
 リーシアは男子生徒を面白そうに背
伸びして眺める。
 
「うん、間違いない……。やっぱり人
間なんだなぁ……」
 
 リーシアはぼそりと誰にも聞こえな
いように、呟いて桃花を横目で見た。
 
「?」
 
「ねぇ、よければ君の名前教えてくれ
ないかい? 最確認のためにもさ」
 
「はい。普通科の朝比奈昴です。クラ
スは──」
 
「ドクダミクラス、入学は15歳の頃
で現在の年齢は17歳、出席番号は1
番目。……合ってるかな?」
 
 男子生徒は目を丸くしてぽかんとし
た。ゆっくりと頷く。
 
「合ってます。……どうしてだ?」
 
 思わず敬語を忘れて男子生徒───
昴は尋ねる。
 
 リーシアはドヤっとすると、腰に手
を当てる。
 
「だって理事長だし。この学園の生徒
の情報は全て記憶してるよ。インプッ
ト済みさ」
 
 軽い口調で言っているが、全校生徒
の情報を全て覚えているなんて凄まじ
い記憶力だ。
 
「ぶっちゃけ、顔見れば誰かわかるん
だ。だから君が誰なのかもわかった。
 
 まぁ、一応確認のためにも名乗って
もらったんだけど」
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