第2章 第1章 戦闘員出動
「でも、そういうのって普通、使って
もバレないんじゃ?」
男子生徒の言葉に紫乃は手と首を振
る。
「普通の人はね。あの子には野生の勘
があるから、即バレる」
紫乃は零から視線を外すと、男子生
徒の袖を引っ張って屈ませた。
小さな声で言う。
「前にね、夕が零の心読んだらね、そ
の瞬間に鳩尾殴られて股間蹴られて、
顔面4発殴られてたよ」
男子生徒は可哀相にという視線を夕
に向けた。
「こわいな」
「うん。でも、女子には手出さないん
だよ。あと、僕にも」
男子生徒は少し考えたあと、おまえ
だけ特別なのは何でだ? と訊こうと
した。
だが、訊く前に0番室に着いてしま
い、タイミングを逃す。
中に入ると、小柄な少女が左を向い
て床に胡座で座っていた。
床に置かれたキーボードを両手で打
ちながら、空中に浮いた大画面を見て
いる。
「理事長? 連れてきました」
リーシアは桃花に話しかけられて数
十秒後にこちらを見た。
リーシアはキーボードと大画面を消
すと、立ち上がる。
「やぁ、おかえり。それが一般市民な
のにクルーンの門が見えた生徒か」