第9章 第8章 遊園地
「うん」
「それはよかったです。───次はど
こに行きますか?」
「そうだねえ……」
考えながら、リーシアは腕時計を見
た。
園内は広いせいで、移動時間に時間
がかかっている。
まだふたつの遊戯しか味わっていな
いが、お昼の時間になっていた。
「腹が減ってはなんとやら。ちょいと
昴くん、パシられてくれ。ボクはオレ
ンジジュースとポテトのSサイズひと
つ。───ふたりは?」
「バニラシェイクとホットドッグを2
本とあとはクレープがほしいな」
「あー飲み物はいらないからハンバー
ガーと、おれもホットドッグで頼む」
「了解。───じゃ、昴くんよろしく
ね」
リーシアは財布から万札を1枚取り
出すと、昴に手渡した。
「お釣りは貰っていいから」
「……ちょっと待て! まさか俺ひと
りで買ってこいと?」
昴としては当然の疑問なのだが、リ
ーシアにはわからなかったらしい。
きょとんとして、桃花や夕を見上げ
た。
「ふたりも、パシられたい?」
「いいえ。それは昴くんの特権だと思
いますので。私なんかが、パシリなん
て恐れ多いです」