第9章 第8章 遊園地
「結構楽しかったね」
「あぁ。ただダミーの通路に3回も引
っかかったのが悔しいな」
「俺についてこい! とか自信満々だ
ったもんね。ださー」
くすくす笑っていると昴が低く唸っ
た。
「おまえ……知らない間に敵とかつく
ってないか?」
思いがけない問いかけに目を丸くし
て、首を傾げる。
「私、零と違っていい子だから、嫌わ
れたりしないよ?」
昴は何か言いかけて、結局やめてし
まう。
困ったように頭を掻きながら、
「素直な奴だよな……」
と、言った。
しばらく邪魔にならないところに佇
んで、リーシアと夕を待った。
しばらくして、出てきたふたりを見
て、桃花はどうだった? と尋ねた。
「なかなかに楽しめたよ。人間の造る
ものにしては上出来だ。
けれど、入り口から真っ直ぐ進み、
左に曲がった突き当たりの扉ふたつの
うち右のほうを開けた際に出てきた仕
掛けには物足りなかったな。ああいう
仕掛けをするからまず───」
「あ、いや、もういいです。とりあえ
ず楽しまたんですね?」
長くなりそうなリーシアの話を慌て
て遮った。