第9章 第8章 遊園地
「日常でホラーじみた光景を見てるの
に、今さら造り物を恐がらないよ」
「あー、確かにそうだった」
「心配してくれてありがとう」
桃花たちはお化け屋敷へと移動する
と、またペアをつくった。
桃花が昴と組みたいと希望したので、
昴と桃花。リーシアと夕のペアである。
「じゃあ、お先にどうぞ」
「はあい、行ってきます」
リーシアの言葉に甘えて桃花と昴は
お化け屋敷の中に足を踏み入れる。
中は暗く、等間隔で頼りない蝋燭の
灯りが辛うじて道を照らしている。
道は進めば進むほど細くなり、時お
り足元に生ぬるい感触が伝う。
「結構本格的な感じだね」
悲鳴を上げてこわがるほどではない
が、薄ら寒く感じて桃花は昴の腕にし
がみついた。
「最初から造り物ってわかってるから
いうほど恐くないけどな」
「まあ、そうだね」
お化け屋敷の中は迷路のように複雑
に入り組んでいて、時々迷ったりもし
た。
見せかけの通路や開かない扉。中に
はよく注意しないとわからない通路も
ある。
右往左往しながらも、ふたりはお化
け屋敷を楽しんだ。
出口を見つけ、外に出ると中に比べ
て暖かい空気が肌を撫でた。