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イチイ

第2章 第1章 戦闘員出動


 後ろにリーシアが立っていた。正確
には浮いている。
 
「理事長! どうしてここに?」
 
 胴体から下がなく、身体が透けてゆ
らゆらと浮いてるリーシアに紫乃が驚
いたような顔をする。
 
 リーシアは紫乃の問いに答えずに男
子生徒を指差した。
 
「その子、0番室に連れてきて。地下
懲罰室に連れてく必要はないから」
 
 それだけ言うとリーシアは消えてし
まう。
 
 桃花は視線を男子生徒に向けて、そ
れからまた夕を見た。
 
 視線で大丈夫かなと訴える。
 
「……とりあえず、指示に従うか」
 
 夕は桃花の頭を軽く撫でる。
 
 桃花はまだ不安そうな顔をしていた
が、諦めたのか男子生徒に手を差し出
した。
 
「……手、どうぞ。あっ、でも、自分
で立てるなら自分で立ってください」
 
「あ、ありがとう……」
 
 男子生徒は素直に手を掴むと立ち上
がる。
 
 男子生徒は手を離そうとする。しか
し、桃花は興味深そうに手を握ったま
まじっと見ていた。
 
「あの……?」
 
「手、大きいですね」
 
「え、あ、うん。よく言われる」
 
「へぇ……、いいなぁ……」
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