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イチイ

第8章 第7章 接触


 頬を赤らめ、照れたように頭を搔い
た。
 
「昴くんも、買い物?」
 
「あぁ。たまには自炊しようと思って
さ」
 
 桃花は眼を丸くして可愛らしく首を
傾げた。
 
「昴くん、料理できるの?」
 
「人並み程度にな。毎日レトルトだと
味気ないし」
 
「へぇ……。昴くんって卵焼き作ろう
としてイカ墨スパゲッティ作りそうな
イメージだった」
 
 明らかに馬鹿にしている発言だ。本
人にはそんなつもりはないらしいが。
 
 昴は天を仰いだ。いくらなんでも馬
鹿にしすぎだというのが今の心境であ
る。
 
「卵焼きがスパゲッティになるなんて
ある意味天才だぞ……」
 
「確かに。……昴くんは、夕飯何にす
るの?」
 
「カレーにでもしようかなって……。
どうしてそんなこと訊く?」
 
 桃花は食材が入った買い物かごを持
ち上げて、
 
「材料選んだはいいけど、作る料理決
めてなかったから。
 
 ね、カレーにするなら材料は揃って
るから作って食べさせて」
 
 大きな眼がきらきらと輝いて昴を見
上げる。
 
「俺は別にいいけど……男の家に上が
りこもうなんて無防備じゃないか?」
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