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イチイ

第8章 第7章 接触


「どこにでもある平凡な名前だけど」
 
「それでもいい名前だよ。ねぇ、連絡
先交換しよう?」
 
 ルシェリはポケットからスマホを取
り出した。
 
 昴は自分のスマホを取り出したなが
ら、ルシェリのスマホのピンクのマカ
ロンのキーホルダーに目をやった。
 
「かわいいキーホルダーだな」
 
「えへへ、彼氏と色違いで買ったんだ
ぁ」
 
 この発言で昴はルシェリを『女子』
だと認識した。
 
 ルシェリと連絡先を交換しながら彼
氏に悪いなと思った。
 
「これで仲良しになれるね」
 
「だな。……ん?」
 
 ふと、向こうから人が歩いてきてる
のに気づいた。
 
 黒い髪に黒い眼。長い前髪が左眼を
隠している。
 
 服装は白いワイシャツに赤いネクタ
イで灰色のブレザーに黒いセーター。
 
 膝ほどの長さまである黒く長いマフ
ラーで口元を隠している。
 
「ん? あ、豊」
 
 ルシェリは立ち上がるとマフラーの
少年に駆け寄った。
 
 並ぶとルシェリと豊と呼ばれた少年
の身長差はほぼなかった。
 
「……誰?」
 
 豊は昴に視線をやって首を傾げた。
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