第8章 第7章 接触
桃花は頭を振ると、再び歩き出す。
零の姿はなかった。もともとリーシ
アに呼ばれたのは零だけだったから待
ってはくれなかったのだろう。
桃花は嘆息すると、窓側に視線をや
った。
今桃花がいる場所は3階の西廊下だ。
昼休みはこの辺りに生徒の姿は少ない。
桃花は窓辺に近づくと、横すべり窓
の下側を外側に押し出して開けた。窓
の燦に手を掛ける。
この学園は階ごとに窓の種類が異な
っている。
1階と2階が上げ下げ窓で、3階と
4階が横すべり窓、5階掃き出し窓と
なっている。
掃き出し窓は通常はバルコニーに面
したリビングに設けられるのだが、こ
この理事長にそんな常識はない。
学園内も他とは違い、第1と第2体
育館は普通だ。
屋内菜園もまだ普通だろう。規模は
異常でほとんど森だが。時々、出られ
なくなってしまう生徒もいる。
しかし、遊戯室や屋内プール、大量
の小説や漫画、DVDやCDが置いて
ある図書室。全校生徒が余裕で入れる
規模の食堂に講堂。
おまけに視聴覚室とは別に映像を見
ることができる施設(生徒たちは映画
館と呼んでいる)など。
地下1階は食料庫で2階は拷問室。
(地下懲罰室とも言う)そして3階は
立ち入り禁止。
敷地も壮大で、噴水や人工森林。屋
外プールや訓練場、そして理事長以外
立ち入り禁止の時計塔がある。