第2章 第1章 戦闘員出動
無言で睨むように見つめられて、男
子生徒は戸惑ったようにしている。
見かねた夕が零の頭を軽く叩いた。
「こら、あんま見んな。失礼だろ。見
ろ、怖がってんぞ」
零は夕を見上げ、何か言いかけ小首
を傾げる。
「ただでさえおまえは目つき悪いだか
ら……ってどうした?」
零は夕の問いにますます首を傾げる
と男子生徒をもう一度見た。
「殺す?」
「え!?」
開口一番の台詞が物騒で、男子生徒
が驚きの声を上げた。
「零! 何言ってんの!?」
桃花が青ざめた表情で零を叱る。
「私たち魔力持ちが一般生徒に危害を
与えたら、だめなこと……知ってるで
しょ!?
零は罰則とか世間の非難の声とか屁
でもないんだろうけど、私が困るんだ
からね!?」
零の両肩を掴んで、桃花はがくがく
と何度も揺する。
「ねぇ、何で殺そうと思ったの?」
最もな疑問を紫乃が訊いた。
桃花も肩を揺する手を止めて私も気
になったと言った。
零はめんどくせみたいな顔をする。
「見えてたから」