• テキストサイズ

イチイ

第7章 第6章 操り師


 学校をサボる時や無断早退した時、
たまに来るようで顔馴染みの店員やゲ
ーム仲間が何人かいた。
 
 人の入りが多いゲーセンで店員から
顔を覚えられるなんてそれほど行って
いるということだ。
 
 桃花は最初にUFOキャッチャーに挑
戦し、全部失敗に終わった。
 
 そこで昴がよし来たとばかりに挑戦
すると、1発で2個も取れた。
 
 取ったのは拳に収まるサイズの兎の
色違いのキーホルダーだった。
 
 そこで桃花はお礼としてそのキーホ
ルダーをひとつ昴に上げた。
 
 その後はプリクラやカートゲーム、
リズムゲームなどをやり、帰る頃には
鴉が鳴いていた。
 
 ふかふかの寝台に寝転がりながら兎
のキーホルダーを眼の前に掲げる。
 
「うふふ」
 
 ゆらゆらと揺れる兎がかわいい。
 
 スマホにつけたらポケットに入りず
らくなるから鞄にでもつけよう。
 
 昴もそうするはずだから益々お揃い
である。
 
 桃花は身体の向きを変えると兎の耳
元に軽く口付けをした。
 
 もふっとした毛糸の感触が少しだけ
くすぐったい。
 
「昴くんに会えてよかったなあ……」
 
 キーホルダーを取ってもらっただけ
で大げさだと聞いた人は思うかもしれ
ない。
 
 けれど桃花にとっては大げさではな
かった。
/ 180ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp