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イチイ

第7章 第6章 操り師


 短いでも昴と関わるようになって好
印象を持っていた。
 
 この気持ちをいつか昴に───明日
にでも伝えたい。
 
 あなたに会えてよかったと。
 
(大げさだって笑うかな、それとも照
れるかな)
 
 昴のことをどう思ってるかと問われ
れば『好き』と答えるだろう。
 
 ちなみにその好きは性的対象として
の『好き』ではなく友情の『好き』で
ある。
 
(この好きがいつか男女の好きに変わ
るのかな?)
 
 考えたがわからない。そんなことは
神のみぞ知るというものなのだろう。
 
(神のみぞ知る……神の味噌汁とイン
トネーション似てるなあ……)
 
 桃花は身体を起こすと、鞄に
兎のキーホルダーを取り付けた。
 
「今日は、夕飯に味噌汁作ろうかな。
明日はシチューにしよっと」
 
 再度横になると、頭の中でなんの味
噌汁がいいか考え始める。
 
 栄養も大事だがどうせなら美容に効
果のあるほうがいい。
 
 ちょうど今日は月に1回の家族会だか
ら、両親においしいものを食べさせてあ
げたい。
 
 皺くちゃのおじさんおばさんの両親
よりは歳を取っても若々しい両親の方
がいい。
 
 美容効果のある味噌汁は作れるのだ
ろうか。
 
 黙々と考えている内に寝てしまいそ
うになって、慌てて寝台から降りた。
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