第7章 第6章 操り師
「何言えばいいかわからないからとり
あえず、わあいとだけ言っとくな」
あいはレティによりかかると体重を
かける。
「軽いなあ……飯もっと食えよ」
「ははは。んなこといわれても食えな
いもの無理に食うのは嫌だし」
「そういやさ、媒体のことなんだが」
急に話題を変えたレティをあいは首
だけ動かして顔を見た。
「確たる証拠はないんだろ? 1度ル
シェリにでも確認させたほうがいいん
じゃねぇの?」
「……それも、そうだな」
「そんで、あい。そいつが本当に媒体
だったらさ……」
一拍置いて続けられた言葉にあいは
目を丸くすると、頷いた。
「言われなくても、わかってる」
レティは満足そうに笑うとあいを抱
きしめた。
桃花は寝台に仰向けに倒れ込むと深
く身体を沈ませた。
基本的に白や桃色で揃えられた『女
子高生らしい』部屋を自動掃除機械が
歩き回っている。
半分だけ開いたカーテンからは夕暮
れに染まった街が見えた。
あの後、初めて授業をサボって(戦
闘はさぼりにはいらないのだ)行った
のはゲーセンだった。
桃花は数えるほどしか行ったことは
なかったが昴は違った。