第7章 第6章 操り師
レティが外に出ると案の定あいが6
段目の階段上で蹲り息を切らしていた。
レティが声をかけると青ざめた顔で
情けなく笑う。
レティは無言であいを抱えると階段
を上る。
「ごめんな」
階段を上りきり、丁寧に床に降ろさ
れたあいは一言そう言う。
「謝るくらいならお礼言え。つか、そ
もそもお礼も言う必要ねぇよ」
「でも、私がみんなに手間をかけてい
るのは事実だからな……」
あいは俯くと少しだけ悲しそうに瞳
を揺らす。
「仕方ないだろ。お前の属性はそうい
う体質になりやすいんだから。……俺
らのせいでもあるけどな」
レティは頭を掻きながらなんとも微
妙な気遣いをする。
あいは深くため息をつくと、廃病院
を出る。
人気のない外は、枯れ果てた花壇の
花や落ちた枯れ枝や雑草が殺風景に周
りを占めている。
時刻はまだ昼下がりのはずなのにこ
こだけ空も空気も暗く沈んでいる。
「仕方が無いと、わかっていても、も
どかしいな」
「努力したって何にもならないんだか
ら、諦めろ」
レティはあいの頭を撫でると、
「それに、みんなおまえの面倒みるの
好きなんだよ」