第7章 第6章 操り師
「それを言ったらあの白いやつも可能
じゃないか。
私はちらっとしか見てないが間近で
闘ってたおまえならすぐにわかったは
ずだ。
相当な魔力量だっただろ?
───そういえば気になる感覚の女
もいたな。魔力量はそんなに多くなか
ったと思ったが……」
あいは防御壁を張って他の戦闘員た
ちを護っていた桃花を思い出し
た。
魔力の壁があったせいで、上手くは
言えないが何かを感じたのは確かだ。
「確かに魔力量は多いが……あいつは
そんなめんどうなことは絶対やらねえ
よ」
断言したレティにネイロが即座に反
論した。
「1回しか闘ってないのにそんなこと
わからないと思うけど」
「誰が1回しか闘ってないつったんだ
か……。───同じ匂いがするからさ」
最初だけ聞こえないように小声でぼ
やく。
レティは歌うように言葉を続ける。
「あいつは俺と同じ『化け物』で『神
様』だ」
その瞬間、全員がレティを驚きの目
で見た。
今の言葉は本当かと目で問いかけて
いる。誰も声には出さない。
「……神様って人間が自己満足のため
に創り出した空想のほうの神様じゃな
くてオレらと同じ?」