第7章 第6章 操り師
レティは耳を抑えながら声の人物に
眼を向けた。
「普通雑魚寝してても耳のすぐ横で銅
鑼はならねえよ。……おかえり」
「ただいま」
声の人物はにっと笑う。
声の主───朔夜ネイロはレティ
を足で小突いてその場からどくように
いう。
レティはその場から立ち上がり、も
うひとつのソファーに座った。
「ああ、学校疲れたあ。守護の女神も
なかなか見つかんないし」
ネイロは愚痴りながら先ほどまでレ
ティが寝転んでいた場所に仰向けに倒
れた。
「ああ、ふかふかのカーペット気持ち
いい……。どっかの誰かさんが珈琲零
したせいで買え変えたばかりのカーペ
ットが気持ちいい……」
ネイロは仰向けのまま視線をクルル
に向ける。
クルルは申し訳なさそうな顔をして
謝った。
「ごめん……なさいです」
クルルは肩を縮こまらせ、ネイロを
捨てられた子犬のような眼差しで見つ
める。
「あ、ところでさ、一昨日レティとあ
いが歓楽街エリアの一部爆破したじゃ
ん?」
「私も含めるのかよ」
「僕さ、てっきり僕らの存在が一般人
にも露見すると思ってたんだけどどこ
にもその話題ないんだよね」