第7章 第6章 操り師
レティは欠伸をして頭を掻いた。
「いつも通りだな。正直こっちは手間
が省けるから感謝したいが───一体
誰なんだろうな」
「さぁ、わからないけど。僕らのため
ではないことだけは確かだ」
「ま、そうだろうなあ……。俺らのた
めにしてるなら不良品なんて出さない
はずだしな」
ソウは双子の少し離れた隣に座ると
深く頷いた。
「そう。用意されてる材料の中には不
良品もある。多少の損傷なら問題ない
んだけど───脳味噌まで破壊されて
たら使えない。
だから憶測だけど、別に僕らに貢献
したいわけではない」
「ま、手間が省けるなら関係ねえな」
レティはお気楽な口調で言いながら
床に寝転がった。
今までずっと立っていたのだ。新調
したばかりのふかふかのカーペットが
気持ちよかった。
「踏まれるぞ」
「おまえらなら避けてくれる」
レティは体制を変え横向きになる。
耳が地面にピタリとついた状態にな
ったとき、銅鑼を叩いたような音が響
いた。
レティは飛び起きて、耳を抑える。
ぐわんぐわんと目眩がしていた。
耳を抑えるレティに声がかかる。
「ほら、雑魚寝なんかしてるから耳元
で銅鑼が鳴るんだよ」