第7章 第6章 操り師
「夢の邪魔をしたのは誰だ?」
髪の長さを除いて瓜二つの姿をした
双子はレティをじっと睨む。
「せっかくふたりで幸せな夢を見てい
たのに」
「人権無視だ、横暴だよ」
「仕事をサボって寝るような奴に人権
なんてないだろうが」
その言葉に双子の片割れ──弟のユ
ウリが頬を膨らませた。
双子の姉、ノアが文句を言う。
「差別反対! あいが仕事他の人と変
わってもらったり、休んだりするのに
は何も言わなくせに!」
「そこで私を出すのかよ」
あいと呼ばれた少女はおいおい、と
大げさに眼を見張った。
「あいは仕方ないだろ」
レティは即答すると、あいの頭を撫
でる。
あいは嬉しそうな、申し訳なさそう
な顔をして黙って撫でられた。
「わかってるけど」
「贔屓だ」
双子は口ではそう文句を言うが、決
してあいを非難してるわけではなかっ
た。
あいもそれがわかっているから、お
どけたように羨ましいだろうと笑って
返した。
「わぁ、ムカつく。……でもさ、さす
がにもう少しくらい身体鍛えたほうが
いいと思うよ」