第2章 第1章 戦闘員出動
桃花はますます顔を顰めて、タイル
状の地面に何回か靴を擦りつけて、汚
れをとる。
「私も戦闘員だけどさ……。防御担当
でよかったかも。
まぁ、あんまやることないから、こ
うやって残飯処理みたいなことやって
るんだけど……。
こいつら本当にしぶとい」
ひと通り汚れをとった桃花が溜息を
ついたとき、後ろで軽い悲鳴が上がっ
た。
振り返ると同時に魔力弾が顔を掠め
る。髪の毛が何本か落ちた。
「っ!?」
桃花は肩を縮こまらせて、軽く紫乃
のほうを睨むが、軽く舌を出されて誤
魔化された。
「もう。……えっと、大丈夫ですか?
怪我してません? 吐き気とかはあり
ませんか?」
桃花は唖然とした様子で尻餅をつい
ている男子生徒に駆け寄る。
男子生徒は何も言わず、目を見開い
て、桃花を───正確にはその後ろを
見ている。
桃花は不思議そうに男子生徒の顔を
覗きこむ。男子生徒が叫んだ。
「後ろ!!」
男子生徒の叫ぶ声に戦闘中だったふ
たりが一瞬動きを止めた。
そして、すぐに何もない空間から現
れた巨大なハンマーに気づいた。
ハンマーはくるりと回り、大きくふ
たりに向かって振り下ろされる。