第6章 第5章 初戦闘体験
「いつ俺が怠惰を自負したんだよ。失
礼な人ですね」
「おや? サボりに遅刻に欠席の数を
入学早々で塗り替えたから、てっきり
そうなのかと」
反論したかったが、事実なので昴は
口を噤んだ。
「無言は肯定だね。まぁ、いいや。そ
れで、不穏分子が現れたんだったね」
「うん。仮面の男と……レティと呼ば
れてたよ。あとは……フードを被った
少女」
紫乃が代表するように戦闘中のこと
を説明した。
実際戦闘したのは零なのだが、喋ら
ないので仕方ない。
粗方状況の説明を聞き、リーシアは
ふむふむと頷いた。
「今まで高みの見物だったのに、いっ
たい何の気まぐれで表舞台に出てきた
のかな」
「彼らを知ってるんですか?」
「うんと、わかりやすくいうと、クル
ーンの上司的な?」
リーシアは指を鳴らすと、空中にデ
ジタル画面を表示した。
床から天井まで届くくらい大きい画
面にふたりの人物が現れる。
ひとりは小柄な金茶色に新緑の眼を
した、どこか人を見下すような笑みの
男。
もうひとりはベリーロングの髪の両
端を黒いリボンで結んでいる銀髪赤眼
の華奢な少女。12歳くらいに見える。
「こいつらは?」