第6章 第5章 初戦闘体験
何コールが音が鳴り、通話に切り替
わる。
「もしもし? どうしたんだい?」
「夕が0番教室に来てくれって」
「何かあったのかい? 例えば仮面の
男とフードの少女が現れたとか?」
昴はしばらく黙ると、ため息をつき
ながら頷いた。
「どっかで見てたんですか? その通
りなので、お願いします」
階段を上りながら昴は通話を切る。
階段を上りきると、先に行ってたと
思っていた桃花が待っていた。
「待っててくれたのか」
「迷子になっちゃうかなって思って」
確かにこの学園は少し複雑な構図を
している。
しかし、迷子になるほど複雑ではな
い。
新入生は迷うこともあるだろうが、
数日も経てば慣れる。
「まぁ、ありがとう」
いらぬ世話だったが、その気遣いに
昴は素直に礼を言った。
ふたりは並んで廊下を歩く。0番教
室の扉を開けると、リーシアはもう来
ていた。
「忙しい人を呼び出しておいて自分は
遅刻なんて、怠惰を自負する君らしい
ね!」
リーシアに開口一番で、皮肉を満面
の笑みで言われて昴の身体がぐらりと
揺らいだ。