Ég mun fela þig(進撃の巨人・ライナー夢)
第9章 止まった時間
彼には従妹がいた。
ガビ・ブラウン。
ライナーとは違い、戦士としての才能に溢れ、何よりも自信に満ちていた。
「私が鎧を継承するんだから!」
そう言って笑うガビを見ながら、ライナーはぼんやりと考えた。
(ヒルドルも、こんな気持ちだったんだろうか……)
厳しくも優しく。
突き放すことも、期待することも。
背中を押すことも、止めることも。
全て、彼女が教えてくれた。
ライナーの胸に去来するものが、彼に何かを気づかせようとしていた。