第8章 真実
俺の部屋で飲むときは、大体メンバーが座る位置も決まってて
所謂お誕生席に俺、俺に近い所に翔くんとニノが向かい合って座って、翔くんの隣に松潤、ニノの隣に相葉ちゃんが座る。
「いや~、でも良かったよねぇ、ライブ大成功で」
「潤くんのお陰ですね」
相葉ちゃんとニノがライブの出来を振り返る。
「俺だけの力じゃないよ
皆が助けてくれるから…皆で作ったライブだよ」
「それは確かにそうなんだけど、でもさ、やっぱり松潤の力は大きいよ」
翔くんも松潤の功績をたたえた。
嬉しそうに笑う翔くんを見ると調子も戻ったみたいで安心した。
「ありがと。でもさぁ、本当に皆には感謝してんだよ?
スタッフもそうだし、Jr.の子達もさ、すっげぇ頑張ってくれてんじゃん」
「ほんとありがたいよなぁ…
俺のソロ振り覚えんの大変だと思うもん」
「確かに大ちゃんのはねぇ…俺じゃ無理」
「相葉さんには期待してませんよ」
「なんだとー!」
ニノと相葉ちゃんがジャレ出した。
「ははっ、ほらビール溢れるから止めときな」
翔くんが笑いながらふたりを止める。
「Jr.って言えばさぁ…昨日、俺、部屋に遊びに行ったの」
「へぇ…相葉くん、Jr.の子と遊ぶんだぁ」
「たまたまね?
リハの時にゲームの話になって、同じゲームやってたからさ
で、その時色々と話してて、ツアーあるあるの話になったんだよ」
「ツアーあるある?」
「そ、俺らもバックに付いてる時に色々あったでしょ?
だから今の子たちと比べてみたの」
「あ~、で?何か面白いことありました?」
「あった!一番の違い!今の子はエロ本を持ってこない!」
「ブッ!なんだそれ⁉」
松潤が飲んでたビールを吐き出しそうになった。
「え~、だってぇ俺たちの時って、誰かしら持ち込んだじゃん
今はスマホで見られるから必要ないんだって」
「あ~、確かに…盛り上がったよなぁ、初体験の話で」
松潤も同調した。
「ねぇねぇ、俺たちも昔を懐かしんで、初体験の話する?」
「あいばか!何つまんないこと言ってんの!」
「え~、面白いじゃん!
今までメンバーの初体験って聞いたことなくない?」
俺の初体験…話せるわけない
相手は翔くんなんだから…
そう思ってたら、目の端に翔くんの体が倒れて行く姿が見えた。