第8章 真実
ホテルに戻り、少し休んでから大野さんの部屋に向かおうと部屋を出た。
「あ~、ニノ」
廊下に出ると、丁度翔さんも部屋から出てきたみたいだ。
「あれ?翔さんも今から?」
「うん、そうだよ?
あまり早く行っても迷惑かなって思ったから」
また違和感…恋人の部屋に行くのに遠慮するか?
付き合い立てならわかる…
でも、このふたりの場合はそんな関係じゃないだろ。
それとも翔さんの記憶がないから、多少は遠慮とかあるのか?
「ねぇ、翔さん…ツアー始まってから大野さんの部屋に行ってないの?」
「え?あ…何?急に…」
返事に一瞬、間があった。
やっぱり何かあるのか?
「いや、なんとなく…
一緒のホテルにいるのに、お互いの部屋に行ってないのかな、って思ったから」
「ツアー中は疲れちゃうでしょ?
俺も智くんももう若くないし…夜はゆっくり休まないとね」
「ふ~ん、そうなんだぁ」
言われてみればそれもそうかと思うけど
でも恋人なら、一緒の部屋で過ごすくらいはするんじゃないか?
大野さんの部屋に着いてしまい、話は終わった。
ドアをノックすると出迎えてくれたのは相葉さん。
「いらっしゃ~い」
疲れ知らずの笑顔で迎えられた。
「あなたの部屋じゃないでしょうよ」
相葉さんの横を抜け部屋の中に進んでいく。
「まぁまぁ、いいじゃないの…翔ちゃんも一緒に来たんだね」
「ちょうど部屋出た所でニノに会ったから」
「そうなんだ~、後は松潤だけだね」
「まだ来てないの?」
「うん、まだ…」
コンコンッ
「あ、松潤かな?」
相葉さんがドアを開けに戻った。
「お疲れ~っす!」
「みんな揃ったね、じゃあ始めますか」
相葉さんが元気な声で打ち上げが始まった。