第8章 真実
シャワー室から出ると翔さんと大野さんが歩いて来るのが見えた。
「あ~、ニノ~」
笑顔で手を振る翔さん。
「どうしたの?」
「今日、夜5人で飲もうって松潤が…
智くんの部屋なんだけど大丈夫?」
「あぁ、メンバーで打ち上げね?大丈夫だよ」
「相葉くんは?まだシャワー?」
「もう出てくるんじゃない?」
そう言って振り向くと丁度相葉さんが出てくるのが見えた。
「あれ?どうしたの?そんなところで?」
相葉さんがタオルで頭をガシガシ拭きながら歩いてきた。
「メンバーで打ち上げしようって…」
「おー!いいねぇ!どこ集合?」
相葉さんが嬉しそうに笑った。
「俺の部屋…」
「大ちゃんの部屋ね?オッケー!すぐ行く」
「イヤ、すぐじゃなくても…」
「え~、だってすぐ行かないと大ちゃん寝ちゃうじゃん」
「確かにそうだね、相葉さんの言ってることが正解」
「へぇ、そうなんだ…
智くんライブ終わってすぐ寝れちゃうんだ
興奮してて眠れないとかないの?」
「ん、まぁ…日によってだけど」
ふたりの会話を聞いて『あれ?』って思った。
札幌始まって3日目、リハも入れれば既に3泊はしてる。
その間、ふたりは夜一緒に過ごしてないの?
翔さんに以前の記憶がなかったとしても
一緒にいれば大野さんの行動はわかってるんじゃないのか?
『興奮してて眠れないとかないの?』なんて聞く必要あるか?
しかも翔さん本気で驚いてたよな。
それともツアー中は別々とか?
でも折角同じ所に泊まってるのに…
恋人同士なら、疲れてても一緒に過ごすよな。
ふたりの様子を見ていてもおかしなところはない
今もふたりで仲良く歩いてきたし…
上手くいってるんだよね?