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あの日の君に 《気象系BL》

第8章 真実


智くんにメンバーで飲もうと言われ予定を聞かれた。

「都合どう?俺の部屋来られる?」

聞かれた瞬間胸がドクン、となった。

なんだろう、まただ…たまにあるこの現象。

前にも智くんと話してるときに、不意に頭に浮かんだ言葉

『ニノと幸せになって…』

『俺の事は忘れて』

あの時と感じる感情は違うけど、心のどこかで引っ掛かる…

智くんが言った言葉なの?だから思い出せないの?

だったら思い出しちゃいけない事なんだよね。

「翔くん?大丈夫?少し横になれば?」

少し痛む頭を軽く振り、心配する智くんに笑顔を見せた。

「ごめん、大丈夫だよ…夜も部屋にお邪魔させて貰うから」

「無理しなくていいよ?」

「大丈夫だって。心配症だな、智くんは…
独りで部屋に居たってつまらないじゃん
俺だって皆と一緒に飲みたいよ」

そう言うと智くんは小さく息を吐き

「わかったよ。まぁ、ホテルの部屋だしな…
具合が悪くなればすぐに休めるか」

「ふふっ、だから心配しすぎだって」

「そっか、そうだよな…俺が心配しなくても、ちゃんと心配してくれる人いるもんな」

智くんが微笑み掛けるから俺も微笑み返した。

良かった…智くんの事ちゃんと騙せてるんだ。

今でも、俺がニノの元にいると思ってくれてる。

そしてニノも、俺が智くんの元に帰ったと思ってくれてる。

この前、ニノに言われた…『幸せそうですね』って。

だから俺は『うん』って答えた。

嘘じゃないよ?

だって、自分の気持ちに正直にいられるんだ。

俺は誰に遠慮することなく、智くんを好きでいられるんだから。
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