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あの日の君に 《気象系BL》

第8章 真実


翔くんが記憶をなくして半年が過ぎた。

あの日以来、翔くんに変わった様子もなく、メンバー皆が安心していた。

いつも笑顔でいる翔くん。
ニノとの関係が充実しているんだろうな。

俺も仕事の上では遠慮なく、以前の様に翔くんを頼りにしていた。

その事に関してはニノも何も言って来なかったし、その方が本来の嵐の形だと思ったから。


そんな中、翔くんの記憶がなくなってから初めてのライブツアーが始まった。

最初の公演都市は札幌。

松潤の演出のお陰で、今年のライブも好評で、手直しなんかは多少あったけど、比較的順調に進んでいった。

札幌最終日、公演が終わったステージ裏で、松潤に呼び止められた。

「リーダー、ちょっと待って」

「ん、どした?」

「今夜、札幌最後の夜だし、5人だけで飲まない?」

「あぁ、いいよ」

「でさ、場所はリーダーの部屋でいい?」

「いつもの事だし、構わねぇよ」

大抵メンバーで飲むときは、俺の部屋なんだよな…
他の場所にすると、俺が寝ちゃって行かないから。

「悪いね。でさ、他のメンバーにも確認しておいてくんない?
俺、もうちょっとスタッフさんたちと話あるから」

「ん、わかった」

「んじゃ、よろしくっ」

手を振りながらスタッフの元へ走っていく松潤を見送り、控え室に戻った。
 
控え室に戻ると中には翔くんしかいなくて…

「あれ?ニノと相葉ちゃんは?」

「もうシャワーしに行ったよ?俺も今から行くところ」

「そっか…」

「何か用あった?」

「いや、急ぎじゃないんだけど、松潤が今夜5人で飲もうって、で、皆に確認しておいてって言うからさ」

「あ、そうなんだ」

「翔くんは?都合どう?俺の部屋だけど来られる?」

そう言った直後、翔くんは眉をしかめた。

「翔くん?どうしたの?都合悪い?」

「…違う…前にも、その台詞言われたような…」

翔くんは軽く握った手を眉間に当てた。

「大丈夫?」

「ごめん。たまにあるんだ…凄く引っ掛かる言葉が…
胸がざわつくと言うか、その時によって感じる感情は違うんだけど…」
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