第8章 真実
楽屋に入ると翔くんとニノがすでにいた。
お邪魔だったかな、と思ったけどふたりとも笑顔で挨拶をしてくれた。
そりゃそうか、仕事場だもんな…
今までだって、相葉ちゃんと松潤の前では、ただのメンバーとして接してたふたり。
これから先も、その形は変えないんだろうな。
ふたりともプロだし、それよりなにより男同士の付き合いだもんな…
わざわざふたりに伝えないか。
前回の仕事の時に様子がおかしかった翔くん。
今日はニノとふたりで笑顔で挨拶された事にほっとした。
道は決まったって言ってたけど、このふたりの様子を見た感じだと大丈夫そうだな。
椅子に向かう途中、今日はニノと離れた所に座っている翔くんに声を掛けた。
「今日は調子良さそうだね?」
「ごめんね?心配して貰って…もう大丈夫だから」
そう言ってる翔くんの表情は穏やかで、この前とは別人のようだった。
「そっか、良かった」
翔くんの向かい側の席に座り、手に持っていた釣り雑誌を読み出すと、残りのふたりも楽屋に入ってきた。
「おはよ~」
「はよー」
「おはよう、相葉くん、松潤」
「あ~、今日は翔ちゃん顔色いいねぇ…ちゃんと休んだ~?」
「うん、ごめんね。この前は心配掛けて…
もう皆に迷惑掛けないように、ちゃんと体調管理するから」
「迷惑ではないけどさ、心配はするからちゃんと休んでね?只でさえ翔くん忙しいし」
「ありがと、松潤…
俺ももう若くないもんな、ちゃんと休息は取るようにするよ」
「翔ちゃんが若くないんじゃ大ちゃんは?」
「リーダーはもうおじいちゃんだもんな?」
「はいはい、どうせ俺はおじいちゃんですよ」
「大野さんは大丈夫でしょ?しょっちゅう寝てますから」
「あ~、確かにそうだねぇ」
「うるせっ、もういいよ、俺寝るから」
立ち上がってソファに向かった。
「ははっ…やっぱり寝るんだ?智くん」
翔くんの笑い声の後に他のメンバーの笑い声も続いた。
いいな、この感じ…いつもの嵐の楽屋だ…
そう思いながらソファに横になり目を閉じた。