第5章 認識
「なんか不思議だよなぁ…
こんな事、身近で起こるなんてさぁ
しかも前日までは普通だったし…
まぁ、普通っていってもその前からふたりの様子少し変わってきてたけどね」
相葉くんも言ってた…智くんが静かになったって。
「ねぇ、智くんが静かになったって相葉くんが言ってたんだけど、何か知ってる?
俺、その話知らなくて」
「あぁ、翔くんその事も覚えてないのか…
ん~、リーダーが静かになるちょっと前から翔くんが『智くん』呼び止めたんだよね…
歳が歳だから止めたのかなとも思ったんだけどさ、『翔くん』はいつまでたっても『翔くん』じゃん
だから止めなくていいのにとは思ってた
その辺りからかな…なんとなく翔くんとリーダーの距離が開いていく感じがしたんだ。
そしたらその内リーダーが静かになってて
翔くんに『リーダーのことほっとくの?』って聞いたんだけど
ニノが『翔さんの仕事って訳じゃないでしょ』って」
「俺と智くん、けんかでもしたのかな…」
「いや~、それは無いと思うよ?
ふたりが揉めてるのなんて一度も見たことないし…もし、ケンカしても絶対翔くんが折れるよ」
「そうかぁ?俺って結構譲らないタイプだと思うんだけど」
「それがね、リーダーにだけはほんと従順というか…
兎に角リーダーを立ててた
そんなふたりが引っ張ってくれてるから、嵐は今の嵐でいられるんだと思うよ?」
「なんか自分の事なのにピンと来ないや」
「でもさ、最近のふたりは前に近いと思うよ?」
「そう?」
「記憶無くしても翔くんが変わった訳じゃないじゃん。
だからやっぱりふたりはふたりなんだな、って思ってた」