第4章 再開
スタッフとの打ち合わせが終わって楽屋に戻ると
ドアを開いた瞬間相葉ちゃんが「翔ちゃん!」と叫ぶ声が聞こえた。
目の前には膝から崩れ落ちそうになっている翔くんの姿…
慌てて駆け寄り抱き留めた。
腕の中の翔くんは顔色が悪い…
「相葉ちゃん、何があった?」
「え?あ、あの…大ちゃんのこと話してたら突然『頭が痛い』って言って、そのまま倒れた」
俺の話?
「どんな内容だったの?」
「大ちゃんと翔ちゃんが前はお互い甘えてたよって言ったら、急に黙り込んで何か考えてたみたい…」
「俺と翔くんがお互い甘えてた?甘えてたのは俺でしょ?」
いつも翔くんに迷惑掛けてたのは俺だけだろ。
「違うよ、翔ちゃんも甘えてたよ…
大ちゃんの横にいる翔ちゃん、スッゴい可愛い顔して笑ってたもん…
あの笑顔するの大ちゃんといる時だけだから」
そうだったんだ…
見たかったな、翔くんの可愛い笑顔。
隣にいたのに見損なってたんだ。
「相葉ちゃん、俺翔くんのこと医務室連れてくから、ここに残って、他のふたりとマネージャーに伝えて」
「うん、わかった…大ちゃんひとりで大丈夫?」
「大して距離ないし大丈夫だよ、行ってくる」
相葉ちゃんに楽屋のドアを開けて貰い医務室へ向かった。
医務室で診てもらうと、心拍も呼吸も乱れてないから、少し様子を見てみようと言われた。
翔くんの記憶障害のことはメンバーとマネージャーと番組に関わってる一部のスタッフさんしか知らない。
倒れたのはそのことが関係しているかも聞くことが出来ない。
ベッドで眠る翔くんはさっきよりも顔色が良くなってきた。
翔くんの髪に触れそっと撫でた…
翔くんとの行為の後、良く撫でてたな…
翔くんが気持ち良さそうに微笑んでたから。
暫く続けていたら翔くんの顔に笑顔が浮かんだ。
「…さ、と…」