第3章 欠落
そこからは俺は何も出来ず、翔さんがひたすら腰を振る美しい姿を見てるだけだった。
「あっ、あ、ん…」
「はぁ…しょ、さん…」
その姿をまだ見ていたくて、今にも吐き出したくなる熱を必死に絶えた。
翔さんの動きが激しさを増す…
自分の中心を握り擦り出した。
「あっ、あ、あっ、あぁ…んっっ!あっ、あああぁぁーっ!!」
翔さんが背中を反らせ動きが止まった。
ナカの締め付けが一層キツくなると翔さんは熱を吐き出し、俺も後を追って吐き出した。
そのまま倒れ込んでくる翔さんの体を受け止める。
「…ごめ、ね…さと、く…ん…」
涙を一筋溢し翔さんは意識を飛ばした。
何に対しての謝罪?
大野さん以外の人間に抱かれたから?
その理由を知りたかったけど、翔さんが目覚めたときにはもう知ることが出来なかった。
夕べそのまま寝てしまい
朝起きると翔さんは俺の腕の中に潜り込むように寝ていた。
可愛い寝顔にそっと手を伸ばし、頬に触れるとゆっくりと瞼を開いた。
俺と目が合うと綺麗な微笑みを見せ挨拶をする。
「おはよ、ニノ」
「おはよう、翔さん」
翔さんはゆっくりと体を伸ばし俺の唇に一瞬触れるキスをする。
離れていく翔さんの頬はうっすらピンクに染まっていて、その可愛らしさに堪らず覆い被さり深いキスをした。
「んっ!」
翔さんの体に触れようとすると手を掴まれ
「駄目だよ。これから仕事でしょ?」
「だって、翔さんがキスするから…」
「ごめんね…ほら、もう準備しないと」
そう言ってベッドから降りようとする翔さんの腕を掴んだ。
「ニノ?」
「翔さん…もう、翔さんは俺のモノ?」
翔さんがキョトンとした表情を見せる
「何言ってるの?俺は最初からニノのモノでしょ?」
「えっ?」
「変なニノ…どうしたの?突然」
「だって…大野さんは?」
「大野さん?誰、それ?」
翔さんの口から信じられない言葉を聞いた。