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あの日の君に 《気象系BL》

第1章 後悔


俺と翔くんが出会ったのは翔くんがJr.に入ってすぐの頃。ダンスレッスンに参加してる時だった。

その頃の翔くんはまだ俺より背も低くて可愛らしい少年だった。

「智くん、智くん」って、仔犬のように俺の後を付いてきて、人付き合いが苦手な俺でも可愛がれる唯一の存在だった。

そんな俺と翔くんの関係が変わったのは先輩のバックについてコンサートツアーを回ったとき。

一緒に回ってたJr.の 一人が、この年齢の野郎たちが集まるときのお決まりの如く、大人の雑誌を持ち込んだ。

そいつの部屋に集まり興味津々に雑誌を見ていると、誰が経験あって、誰が彼女がいてなんて話になった。

興奮冷めやらぬ感じで部屋に戻ると同室だった翔くんに

「智くんって彼女いるの?」

って聞かれた。

「…いないけど…」

「ふ~ん、じゃあエッチもしたことないんだ」

人付き合いの苦手な俺には勿論彼女なんていなくて、となると経験もあるわけなんてない。

翔くんはベッドに座っていた俺の前にやって来て

「じゃあさ、俺としてみない?」

「は?なに言ってんの?」

「だって、してみたくない?周りの奴らだって経験してる奴ら増えてきてるし」

「だからってなんで翔くんと…」

「彼女いないんだもん、しょうがないじゃん…
男同士でも出来るし、彼女が出来たときの練習だと思えばいいでしょ?
経験あった方が良くない?」

頭のいい翔くんがあれやこれやと畳み込んでくる
考えが纏まらないうちに、気がつくと翔くんの唇が俺の唇に触れすぐに離れた。

「…どう?」

心配そうに俺の顔を見る翔くん…
俺は初めて触れる唇の柔らかさに吃驚していた。

「もう一回してみて…」

そう言うと翔くんがもう一度近付いて、さっきよりも長い時間触れあう唇。

翔くんのふっくらした唇は甘かった…
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